ガミースマイルとは、笑った時に上顎の歯ぐきが長く見えすぎてしまう状態のことです。その見えすぎた歯ぐきの長さが長ければ長いほど深刻なガミースマイルと言えます。診断としては、歯ぐきの長さが3mm以上でガミースマイルとなります。会話中にガミースマイルを隠すように、手で覆ってしまう方も少なくないようです。
ガミースマイルとは?

ガミースマイルの症状と原因
ガミースマイルのポイントとして、下記の3つのポイントで今回は解説していきます。
1.リップラインが上がりすぎている
口唇の周りの筋肉が強いと、口唇が歯ぐきの上の方まで上がってしまい、歯ぐきが目立ってしまう状態です。
2.上の前歯の長さが短い
生まれつき歯自体が小さいこともあれば、歯ぐきが歯に多く重なってしまっている状態です。上の前歯の長さが11mm以下であればその危険性が高いです。
3.上の前歯の位置が下もしくは前にでている
上顎の骨が大きかったり、下顎が小さいことで起こってしまっている状態です。
先天的な理由(遺伝)もありますし、若い頃の習癖に由来することもあります。習癖とは、唇を噛んだり、口をぽかんとあけてしまう、口呼吸、上の前歯を舌で押す、指しゃぶりなどが挙げられます。
放置リスク

1、外見がコンプレックスになる
ガミースマイルは、どうしてもお顔の正面で気になります。写真画像や動画などでもはっきりわかり、人によってはかなり気になってしまうこともあります。また、そのせいで人との関係にトラウマをかかえたり、支障をきたすこともあると聞きます。
欧米人と日本人では骨格に違いがあり、欧米人はガミースマイルになりにくく、日本人に限らずアジア人は割合が高いと言われています。
そのため、海外への留学するなどで現地に行った時に驚かれる可能性があります。
2、歯周病や虫歯の原因になる可能性がある
上顎の骨が前に出ているケースでガミースマイルになっている場合、歯ならびが悪いことも多く、虫歯や歯周病になることもあります。
3、口臭の原因になる可能性がある
歯が前に出ているケースでのガミースマイルの場合、口が閉じにくくなることで口の中が乾燥し、口臭の原因につながってしまう可能性があります。また、乾燥すると、虫歯の発生率もあがります。
治療方法
ガミースマイルの治療方法は以下の通りです。
- ボツリヌストキシンの注射
- 歯肉切開
- 歯肉整形+かぶせ物
- 歯列矯正(外科手術含む)
上唇が上がりすぎてしまうことを防ぐために、上唇挙筋という筋肉にボツリヌストキシンを注射する方法です。
ボツリヌストキシンは筋肉の働きを弱める効果があり、歯科では歯ぎしりや食いしばりが強い方にも咬筋という別の筋肉に注射することがあります。
ボツリヌストキシンは3〜6ヶ月ごとに注射することで、その効果を持続することができます。
ただし、やりすぎると、笑顔を自然に作れなくなるなどのデメリットがあります。
そのため、ボツリヌストキシン注入の量や、注射の期間を主治医と相談し、細かく決めることが大切です。

こちらは、ガミー部分の歯ぐきと唇部分の粘膜を切り、縫合する方法です。
全て口の中で行いますので傷口は見えません。ただし、唇の動きが切開前と変わってしまうことがあります。
また、外科手術になりますので、外科が苦手な方、できない方は適用になりません。
また、切開後に徐々に後戻りをしてしまう方もいらっしゃいます。

歯ぐきや場合によっては歯のまわりの骨を削って歯ぐきのラインを上げて、歯にはかぶせ物をする方法です。歯の長さによってはかぶせ物をかぶせないこともあります。
こちらも外科処置が必要になりますので、できない方には適用となりません。
メリットは自然な笑顔を作れることです。デメリットは歯を削らないといけないことがある事になります。
前歯の位置を上にひきあげたり、奥の歯を抜いて矯正する事でもガミースマイルは治ります。そのために前歯の上に小さなインプラントを埋めることもあります。
場合によっては、骨自体を削らないといけないこともあります。この場合は保険適用となる可能性があります。しかし、大きな外科処置であるため、しばらくお顔の感覚が鈍くなったり、入院が必要になります。
ガミースマイルの治療の流れ
ガミースマイルの治療方法ごとに治療の流れをまとめてみました。回数や期間の参考にしてみてください。

ガミースマイル治療の費用
各治療ごとの料金についてまとめましたので参考にしてみてください。(2023年4月現在)

まとめ
いかがでしたでしょうか。
ケースによっても適用になる治療と適用できない治療がありますので、どんな小さな困っていることでも歯科医院でしっかり聞いてみましょう。
ガミースマイルを治す一助となれば幸いです。