その銀歯、アマルガムじゃないですか?
アマルガムって何?
アマルガムとは、水銀を主成分とし、他の金属を加えた合金です。
アマルガムは1990年頃まで日本の歯科治療の主流でした。1990年代以降、セラミックやレジンなどの詰め物や被せ物が開発され、アマルガム治療は徐々に減り、2016年からアマルガムを用いた歯科治療は保険適用から外されました。
アマルガム治療は溶かした銀を充填していくため、耐久性が高く、2024年の現在でもアマルガム治療を受けた歯を持つ患者さまは多くいます。
アマルガムはなぜダメなの?
アマルガムが良くないとされる理由は、水銀が含まれているということです。水銀は人体に有害な物質として知られています。水銀は、神経系や腎臓、肝臓に障害を与える可能性があるため、注意が必要です。
アマルガムに含まれる水銀は無機水銀と呼ばれるもので、水俣病の原因となった有機水銀とは性質が異なります。無機水銀は体内に吸収されにくいため健康への影響は少ないと考えられていました。しかし治療を受けた患者さまの中には、アレルギーや頭痛などの症状を訴える人もいます。
また、水銀は腐食しやすい金属のため、口の中の酸や唾液によって徐々に溶け出し、金属アレルギー発症の原因となることもあります。
アマルガムの見分け方
・アマルガムは銀色の詰め物です
・時間が経つと酸化して黒ずみます
・30年以上前に治療したものであれば、アマルガムである可能性があります
自分で判断することは難しいので歯医者さんでレントゲンを撮って診てもらいましょう。

アマルガムに代わる治療
古いアマルガムを除去したら新しい詰め物を入れなければなりません。
咬合面や範囲が小さい場合はコンポジットレジンを、範囲が大きい場合や隣接面を含む場合はインレーと呼ばれる詰め物で治します。
コンポジットレジンはアマルガムに比べると強度は劣りますが、保険適応で白くできるので、見た目も改善されます。

インレーは保険だとパラジウムやシルバーの銀歯になります。
保険外ではセラミックやジルコニアを選択することも可能です。
いずれにしてもアマルガムと同等またはそれ以上の強度があります。

アマルガムがあったら積極的に除去したほうが良い?
もしご自身の歯にアマルガム治療をされている歯があるならば、できるだけ除去することをおすすめします。
アマルガムは耐久性に優れているので虫歯にならず、悪さをしていないかもしれませんが、治療自体が30年前くらいと推定されるので、劣化が進んでいると考えられます。
また、水銀が溶けだしていることも考えられるので、新しい無害な材料を使用する治療にやり替えることをおすすめします。
