歯ぎしりとは
歯ぎしりというと、真っ先に思い浮かべるのが、寝ている間に歯をギリギリとすり合わせるものです。
しかし、歯科では、歯ぎしりのことを大きく「ブラキシズム」と呼んでおり、次の3つがあります。
グラインディング(歯ぎしり)

クレンチング(食いしばり)

タッピング(上下歯列接触癖)

ブラキシズムはただの癖のように見えますが、歯や顎の筋肉、顎関節などに大きな負担となり、さまざまな悪影響が及びます。 大きな影響が出ないうちに、早期に改善することが大切です。
すでに歯が削れてしまった・割れてしまった・歯が痛い・顎が痛い・肩こりなどの症状が出ている場合にも、適切な治療を行う必要があります。
1分でわかる顎関節症
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歯ぎしりする理由
歯ぎしりをしてしまう理由ですが、現在のところ確定的な理由はわかっていません。 しかし、ストレスが大きく関わっているのではないかと考えられています。
ストレスの原因も多岐に渡りますので1つ1つ解決しなければなりませんが、今のストレス社会ではなかなか原因自体を取り除くのは難しそうですね。すこし環境が変わることでも体はストレスをかかえるもの。スポーツ選手がルーティーンをするのもうなずけます。
その他には、かみ合わせも原因と言われています。例えば、歯を抜きっぱなしにして、放置していると後方の 歯が倒れてきたり、反対側の歯がおちてきたり(あがってきたり)とかみ合わせが くるってしまうと起こるといわれています。
歯ぎしりする子供
子供でも歯ぎしりをします。
ただ、子供の歯ぎしりは大人とは機序が異なります。
子供、特に赤ちゃんで乳歯がはえてくる時期になると、まさに『歯がゆい』=『歯 痒い』という感じで、上の歯と下の歯をこすってしまうのです。そのため、はえたばかりの時には歯がかけてしまったりすることもあります。
その場合は治療が可能であればプラスチックで補修もできますが、歯ぎしりは止められないので、 すぐ取れてしまう可能性もあるので、経過を見ても問題ありません。
歯ぎしりする人の性格
歯ぎしりを起こしやすい性格もあるようです。
- すごくがんばってる人
- ストレス発散が苦手な人、できない人
- とことん追求タイプ
- 時間に追われている人、忙しい人
- 睡眠の浅い人
- などがそれに当たります。
うまく休養をとって、体と心にストレスが溜まりすぎないようにすることがポイントになってきそうですね。
歯ぎしりセルフチェック
歯ぎしりをしているかどうかわからないと言う人はまずこちらのチェックをしてみましょう。
- 歯の表面がすり減っている。すり減って色が違う部分が見えている。
- 朝起きると耳の前あたりがだるい
- よく歯が欠ける
- 友人や家族に指摘されたことがある
- 肩こり、頭痛が多い
- 歯と歯ぐきの間の歯が削れている・かけている
- 虫歯はないのに歯がしみる
- うわあごの上または、舌のまわりの骨に突起物がある
- 顔のエラが張っている
これらのうち2つ以上チェックがある場合は歯ぎしりをしている可能性が高いです!歯医者さんでチェックしてもらいましょう。
歯ぎしりがもたらす
悪影響
ブラキシズム(歯ぎしり)を続けていると、次のような症状が出ることがあります。
- 歯が削れる、割れる
- 歯を噛むと痛い
- 知覚過敏がある
- 顎が痛い
- 顎骨の形が変わった
- エラが張ってしまった
- 歯周病が悪化した
- 肩こり
- 頭痛
歯ぎしりの防止法や
治し方はあるの?
歯ぎしりはストレスが原因で起きていると前述しました。ストレスを0にすることは今のご時世かなり難しいと思います。なので完全に防止をするというよりは歯ぎしりをしても害がないようにしてあげるということが重要です。
ではどうするのが良いのでしょうか。
1.マウスピースを使用する
マウスピースを入れることでかむ力を分散させ、あごの関節に力がかかりすぎないようにします。
歯ぎしりにナイトガード
2. ボトックスを打つ
ボトックスによる治療

3.運動などでストレス発散

4.筋肉のマッサージをする

歯ぎしりの治療を受けるメリット
ブラキシズム(歯ぎしり)の治療を受けると、次のようなメリットが得られます。
自分ではやめられない悪習慣を改善することができる
ブラキシズム(歯ぎしり)は、すでに癖づいてしまっていれば簡単にやめることはできませんし、寝ている間は特に意識的にコントロールするのはむずかしいものです。治療を受けることで、自分ではやめられない悪習慣を軽減することができます。
歯・顎・体への悪影響が改善される
すでに体に悪影響が出ている場合、早期に改善する必要があります。ブラキシズム(歯ぎしり)の治療を受けることで、歯や顎などの痛みが軽減したり、肩こりなどの体の不調が改善したりします。
歯周病などの新たな疾患を予防できる
ブラキシズム(歯ぎしり)を放っておくと、ただ歯が割れたり、顎が痛くなったりするだけでなく、歯周病や顎関節症などの新たな疾患につながってしまう可能性もあります。予防するためにも、早めに改善しておくことが重要です。
周囲へ迷惑をかけることがなくなる
寝ている間の歯ぎしりであるグラインディングは、近くで寝ている家族に対し、音による迷惑をかけることもあります。改善することで、周囲の人が途中で目を覚ます、よく眠れないといった状況を避けることもできるでしょう。
歯ぎしりの治療の流れ
ブラキシズム(歯ぎしり)の治療は、次のような流れで行います。
- レントゲン撮影
- 初診の場合、お口の中をレントゲン撮影をして把握します。

- 診療方針の説明
- 初診の場合、スタッフが当院の診療方針をご説明します。

- 口腔内の検査
- 初診の場合、歯周病検査や、歯式、口腔内写真などの口腔内の情報を検査して記録します。

- 治療
- 歯科医師が実際に口腔内や顎などの視診をし、どのような治療が必要になるかをご説明します。 スケジュールを含めてしっかりと治療計画を決めます。 もし痛みが強い場合には、その痛みを取るための治療を当日に行うこともあります。

- マウスピースなどの作製・装着
- 夜のグラインディング(歯ぎしり)を改善するのに、寝ている間にマウスピースを装着することもあります。 その場合、歯型を取り、適したマウスピースを作製します。

歯ぎしり対策グッズ
主に市販で売られている歯ぎしり対策グッズはマウスピースタイプのものになります。
しかし市販のマウスピースは既製品であったり、自分でお湯で温めて曲げて作るといった自分のお口に完全にフィットしていないものになります。ですので、しっかり歯科医院で歯型をとって、お口にあったマウスピースを作ることをお勧めします。
お口にあっていないと、逆に顎関節症がひどくなったりかみ合わせが変わってしまう可能性があり、かなり危険です。