ラバーダム防湿:
歯の根の治療を成功させるために必要な4つのこと
ラバーダム防湿とは、歯の根の治療において非常に重要な“無菌的処置”を行う為にお口につけるゴムのマスクの事を言います。
第1回の“治療間隔”でもお話しましたが、私たちは歯の根の治療を成功させるため、いかに細菌感染がないようにするかに注力しています。
今回はラバーダムの効果とその目的、注意することについてお話していきます。
ラバーダムの効果と目的

手間がかかってもこのラバーダム防湿を行う目的は以下のとおりです。
・無菌的な治療が可能になる。(唾液や呼気にも多くの細菌がいるため、その侵入を防ぐ。)
・切削片の嚥下防止
・器具の誤飲防止
・薬液や切削器具による口腔粘膜損傷の防止(非常に濃度の高い消毒液を用いるため、口腔内への液漏れを防ぐ。)
・術野を確保する
ラバーダム装着の実際
歯の根が膿んだり痛い原因は
すべて細菌!

過去の研究ではラットの歯の神経を露出させたままにしたところ、無菌空間では膿もできず、歯の神経も生きたままだったという報告があります。
つまり歯根に悪さをするのは全て細菌であるということです。
ラバーダムの3つの注意事項

1.ラバーダムをお口に装着すると口呼吸ができないため、鼻づまりなどの症状がある方
2.ゴムアレルギーの方
3.一定時間お口を空いたままでいると顎が痛くなる方
上記に該当する方はお気軽にご相談下さい!
治療成功のためには
ラバーダム防湿を!

口腔内の唾液や呼気にも大量の細菌がいます。現実的に無菌状態は作れないですが、そういった細菌が歯の根に侵入しないよう出来る限り無菌的状態を作っていくことが大切です。
麻酔をしてラバーダムをするのには5分以上はかかります。その分治療時間は短くなってしまいますが、これは必要な処置だと私たちは考えています。
エビデンスに基づいた
最善の治療を!

今回のラバーダム防湿いかがでしたか?
このラバーダム、歯の根の治療の専門医院では大大大前提でおこなっています。私の知る限りこれをしていない専門医は知りません。それだけ根拠がある必要な処置ということなんです。
次回は歯の根の治療の精度をあげるCTによる診断についてお話します。
麻酔をしてラバーダムをするのには5分以上はかかります。その分治療時間は短くなってしまいますが、これは必要な処置だと私たちは考えています。